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ガシュガル・メヒム

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 東方人。グルーンワルズ傭兵騎士団の団長で、蒼狼鬼の異名を持つ傭兵。
 かつては大動乱で滅びたヒゼキア国の神殿騎士だった。家族は母親のヨナ、妻ナダ、まだ赤ん坊の息子ゼナムがいた。

 スラゼンの侵攻で王都ア・ゴーンは陥落、ガシュガルは王家の遺児ダウス公子とともに騎士団機のシーカに乗って国を脱出する。傭兵稼業に身をやつして公子にもゼナムの名を与えて養育した。
 数年後には傭兵騎士団を立ち上げ、雑多な機体をシーカ風に改造させて見かけだけは揃いの操兵に仕立てていた。母国を再興させてゼナムを王位に就けることが夢だったが、傭兵如きでは何十年かかっても夢物語で終わることもわかっていた。

 聖都編では聖華八門の依頼で中原ダマスタ国のカロウナ村を襲撃し、かつてウルオゴナ国に滅ぼされたホータン王家の血統を伝えるリムリアを拉致する。その際、ガリオン・シーカと名づけた改造機でヴァシュマールを駆るフェンと一戦交えている。
 リムリアを依頼主に引き渡してからはウルオゴナ軍に雇われてダマスタ軍との戦に参加する。立ちはだかるクリシュナを一度目は神殿騎士としての奥義を用いて勝利するもダマスタ義勇軍イル・カタムの横槍で止めを刺せなかった。
 クリシュナとの再戦では右脚を欠損したばかりか、副官のゼナムを誤って死に至らしめてしまう。慟哭するガシュガルの姿に止めをためらうクリシュナ。その前に聖華八門のひとり《土の門》ダロトとして接触してきた男が呪操兵で乱入し、ガシュガルのガリオンやゼナムの遺骸を乗せた操兵ごと地中に引きずり込んでしまう。

 東方編では生きる意味を失ったガシュガルは精神に異常をきたした。だがダロトことかつてヒゼキアの神殿で先輩だったバール・テンドルは、ヴァシュマールとの戦いで破壊された《黒き操兵》の残骸を用いてダウス公子復活の儀式を執り行う。果たして見かけは生前の姿で蘇るもゼナムとして過ごした日々の記憶を取り戻すことはなかった。

 僧正編ではバールと傭兵仲間のジャラン・ナムを加えてヒゼキア解放軍を旗揚げし、かつての仇敵だったスラゼンの残党と手を組み、祖国復興に大きく前進する。
 しかし蘇った公子の体には、ダム・ダーラの魂が宿っており、《八の聖刻》のひとつ《黒き僧正》ヴァルダ・カーン復活までのすべての出来事が彼によって画策されていたことだと知る。
 ヒゼキアがどうなろうと世捨て人同然となったガシュガルにはどうでもよいことだったが、公子の肉体に邪なものがあることが気に入らず、ジャランより八極流の奥義《破邪の神剣》を伝授される。公子を解放するために技を振るうもダム・ダーラの魂を消し去るには至らず、逆に枷を外す結果となる。しかしゼナムとして育まれた本来の人格が完全に消えたわけではなく、操兵戦では自らガシュガルの刃を受け入れるようにして両者相討ちという結果をもたらした。