

聖華八門の長にして《風の門》の練法師。ダム・ダーラによって生み出された複製体。
《白き操兵》を手に入れるためフェンの父親ハオの血液を用いて生み出される。呪操兵ヴェルガ・ラハンを授かる。
(聖都編)
聖華八門の長に据えられているが、創造主の指し手通り動く駒だと自覚しており、彼個人には目的も欲望も皆無だった。部下である《月の門》カルラが求愛してくるが戸惑うばかりだった。
唯一望んだものは遺伝子的に極めて近いフェンとの対決だけだ。彼に勝つことで自己という存在に意義を見出そうとしていた。練法が使える上にラマス拳士としても戦えるゾマはフェンを技で上回るも、勝とうとする執念が希薄で生の執着すら薄く、逆転を許してしまう。仮面も割れて無力になったと思いきや、意識を消されて肉体をダム・ダーラに乗っ取られてしまう。
《黒き操兵》ハイダルを召喚したダム・ダーラは、ゾマの体で乗り込んでヴァシュマールを圧倒し、フェンを殺害する。
なおゾマの意識が目覚めるのは、リムリアの手でヴァシュマールに《真・聖刻》装着されて、その際に生じた強烈な輝きによりダム・ダーラの意識が飛ばされた時だ。解放されたゾマだったが想いを寄せてくれた《月の門》カルラを殺されたことで師の命に従う理由がなくなった。カルラの弔いのため彼女が遺した呪操兵とともに聖都を去る。
(東方編)
はぐれ練法師となったゾマはかつての修業地で静かに死を待つ。外道の術で創造された肉体は寿命が短く、崩壊が始まっていた。麓の村娘テラの世話と、何故かカルラの呪操兵にあった聖剣プレ・ヴァースキンから放たれる霊力によって辛うじて生を繋いでいた。死を待つ身でありながら生にしがみつく矛盾に戸惑っていた。
そこにカルラの元配下が主の仮面や呪操兵を取り戻しにきた。だがその中のひとりラーパティが仲間を裏切り、ゾマに味方する。主カルラと親和性が高かったためにゾマに対する思慕まで影響されていた。
次いで顕れる《月の門》の門主とふたりの《カルラ》候補に勝ち目のない戦いを強いられるが、テラの導きにより八機神のひとつ《風狼の操兵》タイクーン・ロウ・ブライマが出現し、ゾマを乗り手として受け入れる。同時にタイクーンはゾマの延命に役立つことがわかる。
以後、ゾマはラーパティやテラと組んで、聖都のリムリアや教会の《老》の依頼を受けて働く傭兵的な集団となる。なお聖剣はルアンムーイ平原での戦いの際、ガルンに返却している。
(僧正編)
ア・ゴーンでの僧正戦に参戦し、八機神の一騎としてヴァシュマールに味方した。
(神樹編)
聖都アラクシャー防衛戦に参加、ダム・ダーラ側の《金鳳》とも手合わせした。力を使い過ぎたことで体の崩壊が始まり、ゴナ砂漠内のオアシスで休養することになった。